法人税下げが改革の焦点というけれど(6月14日付朝刊1面「法人税改革で強い経済」に思う)

間もなく発表される新しい成長戦略の柱として法人税率の引下げが注目されている。安倍首相が現在35%台の実効税率を数年で20%台に引き下げると発言したのに対し、財界からはもっと早く、もっと大きくと注文がついている。1%の引き下げで税収が5000億円減る。消費税を3%引き上げることで約5兆円の税収を確保したが、法人税を20%台まで下げるとこの半分が吹き飛ぶ計算だ。
9日の日経は、景気の回復により2013年度の法人税収が最大1兆円上振れと報じているが、税収総額では11兆円程度。この水準はリーマンショック以降では最大だが、歴史的に見れば過去最高の1989年度19兆円に遠く及ばない。その後のピークとなった2006年度の15兆円と比べてもまだまだではないか。法人所得は過去最高の水準となっている一方で法人税収が以前ほど伸びないのは、投資減税など各種減税措置や過去の欠損金繰越などに加え、大企業の収益構成が海外で稼ぐ形に変化してきているのに対して、外国税額控除などにより海外で稼いだ金を日本に配当しても大部分が非課税になっているという構造的要因がある。
税率だけ国際比較すると確かに日本の法人税率は世界最高水準だが、その通り払っている企業は少ないし、そもそも赤字が多い中小企業にはあまり関係がない。とすれば改革の柱として大騒ぎしてまで下げる必要があるのか。よく考えてみたい。

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