持続力ある成長に何が必要か(12月26日付社説「政権は持続力ある成長をめざせ」を読んで思うこと)

昨日の日経社説は第三次安倍内閣の発足に当たり、長期的な視野で「日本経済を持続力のある成長軌道に乗せていくこと」を期待するとしている。その目標自体には全く異存はないが、実現のための施策については相変わらず(企業にとっての)景気回復を促すために法人税減税やTPPをはじめとする貿易や投資の自由化などを求めている点には、ちょっと待ってと言わざるをえない。
景気回復というが、企業(少なくとも大企業)にとって現在の景気は決して悪くない。利益は史上最高水準にあるし、成長戦略も着々と実行されていると思う。問題はそれが日本のGDP拡大や国民所得の拡大に結びついていないこと。要は企業の収益源が海外にシフトしてしまい、海外進出が遅れた企業や、サービス業を中心にそもそも国内をビジネスの対象にせざるを得ない企業にとっての景気が悪いのだ。政府は法人税を引き下げることで企業立地の国際競争力を確保するとしているが、法人税は世界的に引き下げ競争の渦中にあり、多少の引き下げで国際競争力が持続的に高まるとは思えない。それよりも企業にとって魅力的な国内市場にすることが先決ではないか。そのためには個人消費の拡大、国民が安心してお金を使える環境を整備すること。現状は消費税増税で実質所得はまだ水面下にあり収入は増えない、社会保険料や相続税は増加、年金や社会保障の将来は不安ということで、どう見ても個人の財布の紐が緩む要素がない。リッチな高齢者から子や孫への所得移転を促す施策は一定の効果があるとは思うが、持続的な国内消費拡大には実質賃金の増加、安心できる年金・社会保障の体制確立が必須だ。
そもそも福祉目的ということで消費税が導入されてからの累計税収額が282兆円に達しているのに、ほぼ同期間(1989年比較での)法人3税の減収額は累計255兆円(12月18日付経済教室)であり、何のことはない、消費税で取った税金分は企業に還元してしまったのだ。それでも失われた20年とか言われている現状を見ると、大企業に儲けてもらえばまわりまわって国民全体にそのおこぼれがやってくるという発想そのものを根本的に改め、国民の懐を直接温かくする施策に転換しない限り根本的な変化は起きないと見るが如何だろうか。

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