資本主義生き残りには大胆な構造改革が必要(8月28日付朝刊10面「資本主義に厳しい視線」に思う)

成長の鈍化や若年者の失業増加、格差の拡大など世界に広がる状況を見ると、資本主義が危機に瀕していると言われても違和感はない。社会主義ソ連が崩壊し、資本主義陣営が凱歌を揚げた四半世紀前に誰がこうした状況を予想しただろう。誰もが資本主義が唯一の経済体制として地球を席巻し、それにより豊かな生活がもたらされることを期待した。なのにである、資本主義の本家本元である米国でハーバード大が18-29歳の若者を対象に今春実施した世論調査では51%が「資本主義を支持せず」と回答する皮肉。いったいどうしたことか。
問題を解く一つのヒントは、ちょうど冷戦体制が終結した90年代以降、資本主義の中でも新自由主義の勢力が一世を風靡し、政府の規制を最大限に取り払って自由に任せればすべてがうまくいく式の能天気な実験が世界的に行われたことにあるのではないか。第一次産業革命が起きて、資本蓄積が進み、企業の力が強大になった時、その反動として社会主義の考え方が生まれた。資本主義側は何もかも自由に任せていては労働者が窮乏して自らの体制を維持することができなくなるという危機感から、8時間労働制をはじめとする社会的規制を受け入れるという方向修正を行うことで、生き延び、社会主義に対抗してきた。ソ連が崩壊し、社会主義の脅威がなくなったかに見えた時、資本主義はそのDNAに従って、社会的規制を極小化しようとしたが、やはりそれでは格差が拡大し、消費は低迷し、成長は鈍化する。社会主義の脅威にさらされなくても、自己崩壊の危機に直面しているのが現局面ではないか。ここを乗り越えて生き延びるには、新自由主義的な考え方とはきっぱり決別し、強いものがより強くなる資本主義の仕組みを構造的に改革する必要がありそうだ。

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