事実先行に危うさ(9月3日付朝刊3面「日本版海兵隊 本格稼働へ」に思う)

離島に上陸して奪還することを目的に自衛隊内に編成された「日本版海兵隊」が、基礎訓練を終えて、南シナ海で米軍との共同訓練に乗り出すとの報道。離島防衛との名目は確かに専守防衛の範囲内だろうが、米海兵隊が他国侵略の先遣部隊の役割を果たしてきた歴史を考えると、その能力がなし崩し的に多目的に転用されかねないのではと心配だ。機動力と攻撃力を備えた部隊は、いつでも侵略に転用できる。それを運用する側が、そのことを念頭に、しっかりした基準を持って臨む必要がある。米軍を想定した集団的自衛権の考え方では、日本が直接攻撃されていなくても、自衛隊出動があり得ることになっているが、こうした「飛び道具」を持てば持つほど、その発動が現実味を帯びてくる。そうならない前に、しっかりした国民的議論をしておかないと、またしても熱狂のうちに誤りを犯すことになりかねない。

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