直感で政治をされたら大変(7月18日付朝刊2面「『政治は直感がすべて』に思う)

選挙で選ばれた大統領とはいえ、政治を直感でやられたらたまらない。ましてや世界最強の軍事力を持つ米軍の総指揮官を兼ねた地位にある人に。テレビを見ながら次々とツイッターでメッセージを発信したり、突然38度線を超えて北朝鮮を訪問してみたり。神出鬼没、行動力も備えたトランプ大統領の動向は、他人事として映画でも見る気分で眺められれば、最高に面白いエンターテイメントだが、世界最強の政治・経済・軍事力を牛耳る人物として見た途端に、背筋が寒くなる。核のボタンも彼の手中にあるのだ。
政治が分かりやすいものであってほしいというのは、誰もが願うことだが、残念ながら今日の複雑な国際関係、経済状況で、これをやれば一挙解決というような魔法の一手は望みうべくもない。各国のトップは、回復不能な災厄をもたらす地雷を踏まないように、慎重を期するあまり、足がすくんで大胆な行動を取れなくなっている。ところがトランプ大統領だけは、そこまで深く考えていないのか、天才的嗅覚の持ち主なのか、平気で地雷原に足を踏み入れる大胆さを見せている。彼が幸運にも地雷原を無事に駆け抜けてくれればいいが、そうでない時のリスク管理がどうなっているのか。世界に破壊的な不幸をもたらす力も、自らに与えられているということを、トランプ大統領とその側近が自覚して、万一の場合の備えもしっかりしていることを願ってやまない。

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