改憲の前に遵憲でしょう(7月23日付朝刊1面「改憲論議『柔軟に』」に思う)

参院選で改憲勢力が国会発議に必要な2/3を割り込んだことを受け、安倍首相が改憲に中立的な勢力を取り込もうと秋波を送っている。憲法は歴史的には、権力者の専横を抑止し、国民の自由と権利を守るもの。その意味では日本国憲法は今日十分機能を果たしている。国民を守る盾としての憲法は意義を失っていないが、第二次大戦後の日本がそうであったように、先進的な憲法を作ることで、それに追いつくように政治を変えていくというケースもあってもいいのかもしれない。しかしその大前提は、為政者が自らが好まない条項も含め、日本国憲法に定める手続きによって国民から選ばれた代表者として、憲法の全条項を尊重し、その実現に力を尽くすことだ。振り返れば、安倍政権ほど現憲法をないがしろにしてきた政権はいない。憲法を客観的に解釈する内閣法制局長官を、政権寄りの解釈をする人物と入れ替えて、誰がどう見ても違憲の集団的自衛権を含む安保法制を強行したのはほんの一例。健康で文化的な最低限度の生活を保障する社会保障も、とても今日の日本においてその看板どおりの水準とは言い難いし、それをさらに改悪しようとしている。多くの野党が憲法に関する議論は是としても、安倍政権下での改憲に反対を表明しているのは、憲法を尊重する姿勢のない安倍政権の態度からすれば当然だ。その昔、革新勢力のスローガンとなった「憲法を暮らしのなかに生かそう」という態度こそ、まず為政者に求められるものだ。それなしに「柔軟な論議」と言われても信用はできない。

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