格差の放置は経済停滞招く(11月30日付朝刊1面「滞る再配分 安定損なう」に思う)

データは時に雄弁に事実を語る。本日の一面中ほどのグラフもそうだ。経済格差が広がると消費が低迷し、経済成長にマイナスの影響を与えることが端的にしめされている。金持ちは貧困層に比べて、その所得格差ほど消費しない。したがって、格差が広がるほど、つまり、金持ちに所得が集中するほど、経済全体の消費総額にはマイナスの圧力がかかり、経済成長が鈍る。裏…
コメント:0

続きを読むread more

明日は我が身(11月29日付朝刊13面「米軍駐留費5倍 韓国に負担要求」に思う)

米国が韓国に対して米軍駐留費の大幅引き上げを要求している。従来の負担が10億ドル弱のところ、駐留費総額を上回る50億ドルを要求しているというから驚きだ。トランプ氏流のディールに持ち込むための吹っ掛けと見る向きもあるが、それでも相当の引き上げ無しには妥結しないだろう。日本は韓国よりも負担比率が高い「優等生」だが、実費総額を上回る請求を受け…
コメント:0

続きを読むread more

大手系列に流れる公的支援金(11月28日付朝刊3面「キャッシュレス利用増4割 コンビニ45%」に思う)

消費税率引き上げに伴う買い換え対策と、キャッシュレス決済の普及の一石二鳥をねらって国が実施したポイント還元制度。元々対象は中小企業限定だか、コンビニなどフランチャイズ制の傘下オーナー店長も中小企業者ということで、大手コンビニでは、一律還元を実施している。日経の調査では、キャッシュレス決済の拡大に一定の効果は見られるものの、相当部分はコン…
コメント:0

続きを読むread more

学びが報われる新卒採用に(11月26日付夕刊2面「超高年収新卒採用の課題」に思う)

日本企業が米企業に習って新卒大学生に超高年収をオファーするというニュースを見て、うまくいかないなと思っていた。このコラムは、日本企業がブームに乗って新しいものに飛び付いているだけで、明確な選抜基準を持ち合わせておらず、日米の大学事情の違いもあって、うまく採用できないのではと指摘している。そんな難しい制度を導入するよりは、大学院生卒業生と…
コメント:0

続きを読むread more

心に染みる教皇の言葉(11月26日付朝刊42面「寛大な社会 実現訴え」に思う)

来日したローマ教皇が、不安、競争心などの問題点を指摘し、日本社会が寛大さを失っていると訴えた。確かに最近の日本社会は個人も組織も余裕がなく、自分のことをするのに精一杯。他人には無関心だか、自らとぶつかるときは突如として不寛容となる。裏一面で展開されている、漱石と子規ら明治の学生たちのやり取りが、何とおおらかであり、共に生きようとする寛容…
コメント:0

続きを読むread more

魚は頭から腐る(11月25日付朝刊6面「米外交を壊した国務長官」に思う)

お隣の安倍政権評と合わせて、「魚は頭から腐る」という格言通りと得心した。ポンペオ国務長官は、官僚機構のトップとしてその規範を尊重すべきところ、トランプ氏の一の子分として、ウクライナへの政治的工作に荷担した。元国務副長官が「官僚機構への放火」と評したそうだが、まさに自殺行為に等しい。翻って安倍政権は、与党の安定多数と、有力な後継者の不在を…
コメント:0

続きを読むread more

逆転の発想(11月22日付朝刊6面「知財『ただ乗り』は悪か」に思う)

知財は発明者による独占を認めずに公開した方が、経済発展に役立つとのFTコメンテーターの指摘に、こんな考え方もあるのかと驚いた。発明者の独占を認めるのは、発明に必要な費用や努力に報いて、発明へのモチベーションを高めるためだが、発明されたものは誰かがコピーしても、元のものが使えなくなるわけでもない。むしろ、コピーによるただ乗りを許した方が、…
コメント:0

続きを読むread more

教師こそ新しいこと学ぶ余裕が必要(11月21日付朝刊27面「対話型の授業行う余裕を」に思う)

昨日に続いて先生の話。型にはまらない対話型の授業や、先生の体験談を聞くのは、高校時代の楽しみだった。当時はまだ、戦争を経験した先生がいて軍隊時代の話をせがんだり、若い先生には大学紛争の話を聞いたり。体験談を話すだけなら準備はさほど必要ないだろうが、対話型の講義をしようとすると、講義時間の何倍もの準備時間が必要だ。今朝の投書欄では、元教師…
コメント:0

続きを読むread more

年単位で疲れはとれない(11月20日付朝刊38面「教員の勤務時間 年単位で管理」に思う)

小中学校など教員の勤務時間を、年単位で管理する法案が衆院を通過した。生徒の個別対応や課外活動などで、先生の労働環境は厳しく、残業を規制する法案かと思えば、逆だった。繁忙期の月間残業時間規制を緩める代わりに、夏休みなどにまとめて休暇を取って、年間で辻つまを合わせればいいという内容だ。しかし、これでは教員の過労は防止出来ないし、家庭の事情な…
コメント:0

続きを読むread more

長ければいいのではない(11月19日付朝刊1面「安倍首相 在任最長に」に思う)

安倍内閣ほど国会運営や憲法解釈などにつき、過去のルールや実績を破壊してきた内閣はない。集団的自衛権は憲法違反で認められないとの内閣法制局見解を、その長官の首をすげ替えてまで変更させ、安保法制を強行したのはその最たるもので、日本の歴史に長く残るに違いない。国会軽視でも、安倍内閣の右に出る政権はない。提出を求められる資料はすべて隠したり、廃…
コメント:0

続きを読むread more

文明社会のもろさ(11月18日付朝刊5面「香港の悲劇。どこにでも」に思う)

警察とデモ隊双方の暴力がエスカレートする香港。世界でも最も自由で民度も高い国と見られている国で、暴力が事実上容認され、喝采も受ける状態。その変化の早さには、驚きを禁じ得ないばかりが、人間社会の脆さに怖さを感じざるを得ない。第二次対戦でユダヤ人の大虐殺を行ったドイツは、比較的ユダヤ人に寛容な国だったという。その国民がユダヤ人排斥を支持した…
コメント:0

続きを読むread more

お金で釣るのはずるい(11月15日付朝刊4面「新ポイント制度『還元率25%に』に思う」

消費増税対策で実施しているキャッシュレス決済時の5%還元が好調だ。これに気を良くした与党は、マイナンバーカードを普及するために来年10月から予定していた、同カードを活用した還元策を、前倒しで、しかも還元率を25%に高めて実施するよう提言した。名目は消費増税による景気落ち込み回避とするマイナンバーカードの普及だというが、おかしくないか。消…
コメント:0

続きを読むread more

嘘つきは政治家の始まり(11月14日付朝刊1面「『桜を見る会』中止」に思う)

注視すれば済むというものでは全くない。首相や与党政治家が、公費で開催される「桜を見る会」に後援会員らを多数招待していた問題で、安倍首相は急転直下中止の決断を下した。しかし、中止すれば説明責任を逃れるということはあり得ない。泥棒が、モノを返せばいいんでしょと開き直るのと同じだ。少しやり過ぎでした、改めますと謝れば、国民の大半は納得するだろ…
コメント:0

続きを読むread more

家計の実態に合わせた負担を(11月13日付朝刊社説「現役の負担を抑え患者本位の診療報酬に」に思う)

診療報酬の改定作業が本格化している。医療費は国庫支出の主要項目であり、しかも増加が著しいので、注目を浴びる。しかし、人の生死、生活に関わるという意味でも主要項目であり、単なる財政負担論ではなく、国民の生活実態を踏まえた議論が必要だ。日経社説は、医療費の現役負担を抑えるよう求めているが、これは高齢者の負担増に直結する。確かに現役の負担は限…
コメント:0

続きを読むread more

経団連こそ全国民的立場で(11月12日付朝刊5面「消費税10%超 有力な選択肢のひとつ」に思う)

経団連が日本の財政負担のあり方について、消費税率をさらに引き上げることを「有力な選択肢のひとつ」とする提言をまとめた。同時に研究開発や投資などに対しては、さらなる減税、インセンティブを求めている。これは企業の代表としての自らの立場を露骨に主張するもので、とても全国民的観点に立ったものとは思えない。陰りは見えているものの、上場企業の業績は…
コメント:0

続きを読むread more

民主主義は秩序たり得るか?(11月10日付朝刊1面「揺らぐ自由・民主主義」に思う)

ベルリンの壁が崩壊して30年。ソ連という国名を知らない若者も多くなった。ベルリンの壁が民衆によって打ち壊される映像を見た時、誰もが自由と民主主義の勝利を疑わなかったが、実は自由と民主主義の試練はそこから始まったと言える。冷戦時代は、ベルリンの壁に象徴されるように移動の自由を阻む壁が、世界の至る所に存在した。東西対立の結果、それぞれの陣営…
コメント:0

続きを読むread more

経済対策はやり過ぎだ (11月9日付朝刊3面「経済対策 五輪後も」に思う)

首相が景気下振れリスクに備えて経済対策の策定を閣僚らに指示した。現在も消費税増税による消費減退を予防するための経済対策が進行中だが、これを五輪開催後まで伸ばせるように予算措置を行うという。景気が良くなること、維持されること自体は、誰もノーとは言わない。しかし、政府の経済対策は国民の税金を使って経済にカンフル注射をするわけで、しかも財政が…
コメント:0

続きを読むread more

温暖化対策 vs. 市場経済(11月8日付朝刊7面「温暖化対策 若者の財産に」に思う)

温暖化対策への態度も二極化してきた。トランプ大統領のように、対策の必要性も否定するような反対派と、グレタさんのように温暖化対策があらゆることに優先すると主張する人たち。しかし、大半の人々は、対策は必要だか、最優先と言われても、現実的なのかなと思っているのではないか。温暖化対策を現実化する手法は、政治的にも、経済的にも、技術的にも、人間の…
コメント:0

続きを読むread more

同一労働同一待遇を(11月7日付朝刊5面「厚生年金のパート適用」に思う)

パートなど短時間労働者の厚生年金加入範囲をめぐり、中小企業の対象範囲を拡大しようとする厚労省と、負担増加に反対する企業側の攻防が激しくなっている。厚生年金と国民年金では給付に大差があり、働く者の立場から同すれば、適用の有無で待遇が大きく変わることになる。同一労働同一賃金の制度が来年度から始まるが、この考えからすれば、同一労働同一待遇を貫…
コメント:0

続きを読むread more

国はなくとも対策は進む(11月6日付朝刊3面「温暖化対策『米抜き』進む」に思う)

米国が温暖化対策の世界的枠組みであるパリ協定からの離脱を正式に通告した。1年の経過期間を経て、米大統領選挙の直後に離脱する。トランプ大統領は、地球温暖化対策の必要性を認めないばかりか、これを進める人たちをぺてん師呼ばわりしている。温暖化ガス排出と温暖化の関係は、科学的に解明しきれていないのは事実だか、少なくとも二酸化炭素の増加が温暖化を…
コメント:0

続きを読むread more

株高は金余りの発露(11月5日付朝刊5面「業績悪化、だからこそ株高」に思う)

業績悪化の中身が、先行投資だから、その銘柄は買いなどと自信を持っていえるのは、指摘されている日本電産以外にそうはない。それでも不況下の株高が全世界的に続いているのは、金融資産の増加に実物経済の拡大が追い付かず、余ったカネが、行き場を求めてさまよっているからだ。理屈は何でもいい、それなりのルールが確立されている市場があれば、投機マネーが入…
コメント:0

続きを読むread more

ここまで見事なすれ違いとは(11月3日付朝刊3面「トランプ氏vs.民主 3つのデータ」に思う)

米国大統領選まであと1年だが、本連載のタイトル「分断の米国」を象徴するショッキングなデータが並んでいる。異なる政党支持者を「とても好ましくない」と思う比率は、1994年には民主・共和両党支持者とも十数%だった。それが年々右肩上がりで上昇し、足元ではいずれも40%を超えている。まさにいがみ合っている状況だ。選挙の争点にとして重視する分野も…
コメント:0

続きを読むread more

多過ぎるビニール包装(11月2日付朝刊7面「有料レジ袋義務化へ」に思う)

プラスチックゴミの削減を目指し、来年7月からレジ袋の有料化が義務付けられる。プラスチックゴミによる環境汚染が世界的に問題になっている上、途上国のプラスチックゴミ受入れ規制強化や国内の人出不足などで、日本国内のプラスチックゴミリサイクル体制も危機に瀕しており、プラスチックゴミの排出量削減は急務だ。レジ袋の有料化は象徴的な意味では大切だと思…
コメント:0

続きを読むread more

ルールなき中東(11月1日付朝刊8面「米のクルド『裏切り』に不安」に思う)

米軍がシリア撤退にあたり、長年行動を共にしてきたクルド人勢力を見捨てた。クルド人勢力と敵対するトルコは、早速越境して同勢力を一掃。この動きを米国の中東関与の一層の低下と見たロシアは、プーチン大統領が早速米国の最大の同盟国であるサウジアラビアを訪問。中東を巡る変化は目まぐるしい。恨みは孫子の代まで残る。米軍のIS指導者襲撃が、イラク領から…
コメント:0

続きを読むread more