誰のための働き方改革か(7月4日付朝刊2面「多様な働き方促進」)

政府が未来投資会議で示した成長戦略案に、多様な働き方を後押しするため、兼業・副業やフリーランス向けのルール整備が盛り込まれた。そう聞くと、働く者にメリットがある制度改正を期待したくなるが、注意が必要だ。足元のコロナ禍で、フリーランスは正社員に比べて収入減少などの影響を強く受けている。これが、今回の制度整備の目玉にもなっている契約書面の義務付けで解消されるならいいのだが、そうではないだろう。契約書面はあった方がいいのは当然だが、発注側の企業や団体と、個人事業主であるフリーランスでは、立場や交渉力で大きな差があり、フリーランスの大半は弱い立場に置かれる。それでも、未来や成長のために政府がこうした施策を推進するのは、固定的な雇用義務から逃れて人件費を圧縮したい企業の未来や成長を念頭に置いてのことだ。正社員でさえ他の先進国に比べて弱い立場に置かれている日本で、更に非正社員が増えたらどうなるのかをよく考える必要がある。それは企業経営者にとっても同じこと。目先の人件費を減らして採算を向上するのは、極めて安直な手法だが、それで本当に働く者のモチベーションが上がり、力を引き出せるのか、よく考えて手を打つのが有能な経営者ではないのか。安直な経営を後押しする未来投資会議に、日本の未来は託せない。

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