グローバル経済にも司令塔が必要(3月27日付朝刊1面「『島国化』は繁栄生まぬ」に思う)

コロナ危機以前から米国がアメリカ・ファースト、英国がEU離脱など、自国第一主義=「島国化」の傾向が世界で強まっていたが、コロナ危機でこれが一気に全世界に拡大してしまった。冷静に考えれば、「島国化」が自国に継続的な利益をもたらすとは限らないことはわかるのだろうが、危機に直面して、とりあえず自分のコントロールできる範囲に引きこもりたいという本能的欲求が先行してしている。この背景には、グローバル経済があまりにも無秩序で、一部の多国籍企業だけが自由に振る舞う一方で、個々の地球市民にはメリットが感じられにくいという事情があるのではないか。本来は、国連やWTOなどの国際機関が、もっと規制的イニシアチブを発揮すべきだが、国家間の合意の下で成り立つという限界、特に米国など一部大国が実質的な拒否権を行使するととたんに機能不全に陥る脆弱性は、現在の仕組みでは、いかんともし難い。
EUは国家主権の一部を制限して地域政府に権限委譲したという意味で、「地球連邦」的なグローバル機関設置に向けた実験として注目しているが、こちらも国家主権、国民国家の力が弱まらず、難航している。
グローバル経済を完全な自由の下に形成するのはあり得ない。その司令塔になり得る機関のあり方については、まだまだ模索が必要だ。新型コロナ対策では、人類共通の危機に対処する国際機関の必要性は認識されやすい。この機に国際的協調に向けた模索が前進することを期待したい。

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