しぶとく生きること(3月30日付朝刊15面「緩和ケア医ががんになって」に思う)

医療・健康面の「向き合う」というコラムで知人の医者が連載を始めた。「緩和ケア医ががんになって」という本が出版された直後に、本ブログでも紹介した高校の後輩である。彼はがん患者がより良く生きるための手助けをする緩和ケア医でありながら、がん患者のことが全然わかっていなかったと、自らががんになってから悟った。そこから猛然と行動を開始したところが、彼の偉いところ。本を出しただけでなく、あちこちに出向いて自分の体験を語っている。医療関係者の集まり、同窓の集まり、東京にもやってきて団体の講演会で講師を務めたりした。メディアでも紹介され、NHKテレビの朝のニュースやラジオ深夜便にも登場したと思ったら、今朝は日経である。胃は全摘したが、肝臓他にがんが転移して、同窓会で会った時も少ししんどそうにしていた。「無理するなよ」と声をかけたら「無理をしたいんです。どこでも出かけて行きますから呼んで下さい」と言い返された。彼にとって、自らの体験を語り歩くことが、より良く生きることなのだと気がついた。周囲に患者風を吹かせて、わがままに生きているのも、多くのがん患者の参考になるかもしれない。彼はそれを「しぶとく生きる」と表現する。がんになったからといって、小さくなって、控え目にしている必要はないんですよと。彼の生き方を変えたのはがんである。

"しぶとく生きること(3月30日付朝刊15面「緩和ケア医ががんになって」に思う)" へのコメントを書く

お名前
メールアドレス
ホームページアドレス
コメント