法治国家の権威を貶める米国(8月8日付朝刊4面「『国に売却益納付』発言波紋」に思う)

トランプ大統領のがつげの脱線ぶりには呆れるばかりだ。TikTokに米国撤退か米企業への売却を要求したのみならず、その売却益を米政府に払うよう求めたという。撤退や売却要求も法的に見ればかなり無理筋だが、売却益の納付については、政府関係者でもその根拠について見当がつかないと発言しており、まさに言いがかりだ。トランプ大統領にとっては、中国憎しの思いと、300億ドル近いと言われる売却益の大きさから、衝動的に出た発言だろうが、大統領の発言となれば、笑って済ませるわけにはいかない。問題は、記事でも指摘されている通り、米国が同盟国に対して、TikTokやファーウエイなど中国IT企業の締め出しに同調するよう求めていることだ。多くの同盟国は、米国の要求に困惑しながらも、一定の同調をせざるを得ないとの判断をしているというが、こんな無法な要求を米国のトップに持ち出されては、制裁措置の正当性が根本から揺らぎかねない。単なるケンカへの加勢となれば、同調できない国も出てくるだろう。中国の強権的国家運営を批判する米国が、自ら法治主義を踏みにじる行動をすることで、失うものは大きい。

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